PREDAWN BTG

PREDAWN(夜明け前)と名付けたオリジナルパター。使ううちにもう少しこうしたい、あーしたいが出てきたら夜が明けたということ。あーしたいこうしたいは闇に生まれた微かな光、向かうべき道なのです。

私の場合は、使ううち、ヘッド直径をボールよりもわずかに小さくしたい。そんなふうに思うようになりました。なぜなら、ボールと同じ直径ではヘッドの下目でしか打てないことに気づいたからです。

それは、実際のパッティングでは必ずグリーンを擦らないようにヘッドを浮かして打つからです。

そこでボール直径を1ミリ小さく。42ミリにして使ってみると、やはり打点が上目(真円の中心近く)に集まるようになりました。ヘッド軌道に上下の余白が多少あった方が打点のコントロールはしやすい。そう思いました。

しかし、1ミリでも直径を小さくするとヘッド重量が理想よりもわずかに下回ってしまう。GSSグレードのステンレスではそうなることはわかっていました。だから、GSSにこだわるならば42ミリヘッドなら何らかの方法で「加重」する必要があるのです。

もちろん、その「加重方法」も考えついており、すでにゴールドファクトリー社に実現可能か検討してもらっています。その前にやってみたかったこと。それが真鍮ヘッドでのテストです。

PREDAWNで目標にしているヘッド重量は315g前後です。GSSではわずかにこの目標に届かなかったものの、真鍮ではご覧の通り317gまで出ています。小さい口径を目指すなら真鍮もアリなのです。

よく柔らかい打感を狙って真鍮を選んだと思われてしまいますが、実際は必要な重さを確保するために素材を選んだのです。結果、音がより静かになり、初速がゆったりめに感じるようになりましたが、それは「狙い」ではなく副産物に過ぎません。

また、今回はシャフト孔を1ミリフェースよりにズラして開けてもらっています。従来は完全にヘッドのセンターに開けてもらっていたので、そういう意味では「トルクフリー」状態でした。しかし、このBTGでは1ミリだけ軸ズレさせています。簡単にいうとわずかにヘッド後部を重く、つまり重心深度を作ったのです。

それも、半年間PREDAWNでゴルフしながら試行錯誤した結果、思いついたことです。ちょっとだけ後ろが重たい方がボールを弾く感覚がなくなると思ったのです。弾く感覚はショートパットではとても有効ですが、ロングパットでは少し不安要素になっていました。PREDAWN BTGは素材からくるおとなしい感じと、重心深度を作ったことによる少しの「遅れ」と「戻り」によってつかまり(乗り感)を生み出せたと思っています。

このあたりは「何言ってるのかわからない」と思いますが、それは使ってみて感じることなのでテキストで伝わらなくてもいいと開き直っています。

PREDAWNについては、私自身使用を続けたことで、完全に闇から一定の光を目指して歩き出しています。そういう意味ではもう私の夜は明けてしまいました。

しかし、PREDAWN BTGに至った過程や理由は完全に個人的なもの。パターとしての正解や不正解の話ではありません。一言で言えば、自由に「カスタマイズ」しただけです。

重心深度も重心距離もない、無垢なるPREDAWNを作った理由は、何もしないヘッドを使う中であーしたい、こうしたいと自分なりの「カスタマイズ」の方向性を見出していただきたかったからです。そして、使う中で生まれたカスタム欲(希望)に付き合ってくれる。それがゴールドファクトリー社に開発を依頼した理由です。もうちょっとこうだったら、という相談を聞き、一緒に方法を議論し、長く愛してもらえる道具に育てていきたい。それができるモノを提供したいと考えています。

個人的には最初に作った403ステンレスの「店主用」と、夜明けとなった「BTG」は甲乙つけ難し。打つたびに、こっちもいいな、いやこっちもいいぞと思ってしまいます(笑) あるいは、BTGに「瑞雲カーボン」を挿したら私のカスタマイズは終わってしまうかもな、とも思っています。

いずれにしても、「店主用」と「BTG」の2本があれば、今世でのゴルフは、じゅうぶんに愉しめる。そんな気がしています。

 

ちなみにPREDAWN BTGは、近々何本かストック販売する予定です。

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在