蝉が鳴き、蜻蛉が飛び交う季節、栗の木にも花が咲きました。北の大地の春はあっという間に過ぎ去りて、短い夏を迎えるころになりました。風薫る、というほど爽やかではないですが、栗の花独特の香りもなんだか懐かしく思うようになりました。
巷のニュースから距離を置き、焦らず騒がずじっくりと腰を据え、今年は定点観測をしています。浮足立っているように感じるこの頃のざわめきが、少々滑稽でもあり、なんだか人間らしくもあるなと思います。輪厚の丘の上にたつこの栗の大木はどう見てるのでしょうか。
ゴルフボールでも当たったのか、花房のついた枝が散りおちました。痛いとも、悲しいともいわず、凛とそびえる栗の大木が今年はやけに愛おしく、いつもの年よりも傍にいる機会がおおくありました。人間には花も咲かず実もなりませんけれど、自分の成熟度が如何ほどのものなのか、気になる年頃にもなりました。