いつも通りはいつも通り

普通のウェッジのヘッド重量は305g〜310g前後。それよりも明らかに軽く作るだけで、まったく違った結果を体感することができる。

今週、マーク金井のアナライズブログに「2つの試す」という記事を寄せました。

簡単に言うと、似たようなスペックのクラブを打ち比べしても結果は「微差」。もっと「長さ」を比較してみた方がいいという内容です。

我々ゴルファーは、常に「似たようなスペックのクラブ」を比べたがるものです。そしてクラブメーカーも「似たようなスペックのクラブ」を作ろうとします。例えば、Dバランスにこだわりがあるゴルファーが多ければ、長さはどうあれ、Dバランス死守に動きます。短くしたからスイングウェイトがCバランスになってもいいや、というふうにはならないのです。短く使う設定ならば、ヘッドはより重たく仕上げられます。そうしないとバランスが出ないからです。

短くするというのは、バランスダウンして扱いやすくするという目的があるわけですが、短くなった分ヘッドを重たくされてしまったら、振りにくさはキープされたまま単に短くなっただけ、になりかねません。でも、Dバランスにこだわるゴルファーが多いので、どうしてもヘッド重に作ってしまうのです。

個人的には、それで短くした意味あるのかな?って思います。単にヘッドスピードが出にくくなっただけでは?と。とにかく、Dバランスで揃えてしまったら、何を打ち比べてもその結果は「微差」になってしまうのではないかと思っています。プロのように「微差」が重要ならば、もちろんいいと思いますが。

しかし。

今までのクラブよりも劇的に結果を変えたいのなら「いつもと同じ」では無理でしょう。いつもと同じスペックである以上、結果もいつも通りに。それが普通です。

ウェッジも。

一般的なヘッド重量のモデルを横並びで比較したところで、結果は「微差」に留まります。昔のプロはヘッドにドリルで3箇所くらい大穴を開けることがありました。それくらいしないと扱いやすさが変わらないからです。

今、軽量ヘッドのMOE86ウェッジを毎日使ってみていますが、これは一般的なウェッジヘッドよりも20g程度軽い仕上がり。これくらい違うと、打ってみて面白いように「違い」がわかります。そして使っていく中で鉛をちょっとずつ貼りながらちょうどいいバランスに持っていくことができています。重さを引くのは難しいですが、足すのは簡単です。

で、結果的にスイングウェイトがいくつになっているのか? ですが、これは意図的に計測をしていません。知るとその数値にまた縛られるからです。そして知ってしまうと無責任に「やっぱりC6が最高だせ!」とか言ってしまうかもしれないので(笑)

基本的には打ってみて使いやすければ、スペックは知らなくてもいいのです。そして、比較・実験は楽しいですが、ほどほどで切り上げる。なぜならクラブは使い慣れてナンボだからです。

いつまでも試打をしてないで、とにかく同じモノを頻度高く、長く使うこと。それがとにかく大事だと最近思っています。

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在