
国内ゴルフブランドはあまりパターの開発にチカラを入れていないように見えるが、この間打たせてもらったプロギアの新シリーズ「PRGR DESIGN PUTTER」は、ちょっと期待できる感じがした。
国内の削り出し工場で作っているらしく、まだクランクネックのアンサー2タイプと、ショートスラントのマレットタイプがあるのみ。量産というほどバンバン数ができるわけではないらしく、直営ショップか公式オンラインサイトでしか買えない代物だ。
期待できる感じがしたのは、アンサー2型とマレットの2モデルなのに、ヘッドが4つあったこと。重さのバリエーションとかではなく、フェースの打球面に2種類のテクスチャ(凹凸)を用意していたのである。

2種類のフェーステクスチャを用意した理由は「打音」「タッチ」に選択肢を設けるため。簡単に言うとテクスチャのピッチが広めで深いタイプは打音が静かでしっとりとした打感に、だから「MILD」と呼んでいる。テクスチャが浅く指の腹で触ってもあまり凹凸を感じない「SOLID」は、ボールを打つと打音が大きめ。これを硬いと表現する人もいるかもしれない。
筆者はそもそも音を出したいタイプなので「SOLID」がいいかなと思っていたが、実際自分の愛用球で転がしてみたら、「MILD」の方が心地よかった。愛用球はタイトリストのプロV1xレフトダッシュだから、ボール自体が「SOLID」な音を奏でる。このボールに合わせるとしたらパター自体はしっとり打感の「MILD」になるのだろうと思った。
もし私が「プロV1」ユーザーなら、パターは「SOLID」を選んだかもしれない。心地よいパターの打音とはボールとパターの両方で創るものなのである。つまり、パターはまず「使用球」を決めなければ選べない、ということ。
毎ホール、違うボールでプレーしているとパット、アプローチは何年経ってもうまくならない。どんなに人気のウェッジを買っても、サークルTを買ってもだ。松山英樹はニューボールが届くとまず最初にエースパターのフェースでコンコンとボールを弾ませ、その音と弾きを確認するという。このテストで違和感があったボールは基本的にNG。その先のショットテストに進めないのだとか。
新しいパターが出ると、パターの話に終始してしまいがちだが、まず書いておきたいのは「ボールを決める」ことの大切さ。そうでなければせっかくの選択肢を活かせないだろう。
ちなみに「PRGR DESIGN PUTTER」は、ソールのウェイトが変えられるのでヘッドの重量も好みに設定しやすい。まだ2つのヘッドタイプしかないが、これからバリーションを増やし、スコッティ・キャメロンやオデッセイに並び立つ本格パターブランドに育っていってほしいと願う。
