
棒を棒として感じる。そういうことが割と大事なように思う。
ニュートラルな状態を知っているからこそ「もう少しこうしたい」がうまくいく。
でも、無数の「もう少しこうしたい」が折り重なって出来上がっている現代のゴルフクラブでは、もう棒を棒として感じることは不可能だ。いや棒のように振ることは可能だが、それをしたらうまくいかない。ボールは右に飛ぶばかりだから、今は棒みたいにクラブを振ってはならん、と教えられる。ゴルフの難しさが、まずここにある。
今、思いつく範囲で、手に入る範囲で最も古いゴルフクラブを入手したとしても、それはすでに数百年に及ぶ「もう少しこうしたい」が折り重なってできた十分に「進化した」道具である。どっちみちバットのように振ることは許されない。
だからゴルファーは、さらにいろいろなことをしようとする。思うに任せないからなおさら、色々なことをやり始める。その結果、どんどん扱いが難しい道具に、そしてゴルフがどんどん難しいものになっていく。そんな気がしてならない。
自分で何とかできるくらい、道具は何もしないほうがよい。棒のようなものでよい。そのほうが簡単・シンプルなのではないか。リセットの視点を持つことは大切だ。
