2010C

スティーブ・ストリッカー選手が06年製のアイアンをツアーで使っているそうです。

関連記事をこちらに書きました。

アイアンの溝については、80年代からいろいろと揉めていますね。

有名なのはPING EYE2の溝形状を巡り、USGAとPINGが訴訟までしたことでしょう。

どうもUSGAは溝にとてつもないチカラがあると思っているようです。

基本的にはインパクト時の水や泥を脇に逃す、排水溝ですけどね。。

ゼネラルルールを知った上で、自分たちでプライベートルールを決めて楽しむ。それがゴルフの在り方なのはわかっていますが、「ルール違反だけどいいよね、このコンペは」と決めたとしても、どうもすっきりしない。自分の気持ちの中で“違反の道具でゴルフをしたくない“からです(汗)

2010C

2010年施行の新溝ルールに Conform(適合)していますという意味です。

これならずっと使えます。(予定)

2008年に反発規制がされた時も、ドライバーヘッドにはSLE RULE CONFORMING などと転写がありましたね。

ルール適合。

でも、そのルール自体が変われば、また不適合になってしまうのですよ。

つまり、2010Cもその時までの「お墨付き」。

いつまで有効なのかは神のミゾ知る、です(汗)

しかし、本当に道具の進化がゴルフの面白さを損なう恐れがあるのでしょうか?

 

 

そこにリスペクトはあるのでしょうか。

ゴルフに対して。ゴルファーに対して。

そして、トッププレーヤーの努力、才能に対してです。

シャープな溝がゴルフをするんじゃありません。

スピンは、正しく打つことによって得られる成果なのです。

そして、スピンが多くかかること自体、ゴルフゲームにおいて決していいことばかりとは言えないのです。

もっと飛ばしたい。もっとバックスピンをかけたい。

そう願うゴルファーが多いですが、ものすごく遠くにボールが飛ぶとフェアウェイにボールが残りにくくなります。ものすごくバックスピンがかかると、カップにボールが近づきにくくなります。ゴルフがつまらなくなる可能性があるんです。

自分で遠くに飛ばせる人たち、自分でスピンコントロールできる人たちは、規制なんてしなくても、行き過ぎた道具の進化にはNOというでしょう。こんなのじゃゴルフにならないと。

高反発ならもっと飛ばせたのに。旧溝ならもっとバックスピンがかかったのに。

ルールの改正は、

ゴルファーにうまくいかなかった時の逃げ道を与えているのかもしれません。

でも、遠くに飛ばすのも、バックスピンをかけるのも自分自身なのです。

飛ばしたり、飛ばさなかったり。スピンをかけたり、かけなかったり。

そうやって時にはセーブしながら、

自分で球筋、スコアを作っていくのがゴルフなのではないでしょうか。

 

そもそも誰もが300ヤード飛ばせる道具は売っていません。

大ダフリしたのにバックスピンでボールが戻るウェッジもありません。

もし、それがあったとしたら、自分で飛ばし、スピンがかけられるゴルファーが声をあげるでしょう。

こんなのじゃゴルフにならない!と。

放っておいてもゴルファーは自分たちで、使い勝手のいい道具の上限を定めるのではないでしょうか。三角や四角の大慣性モーメントドライバーを市場から消したのは、ルールではなく、こんなのじゃゴルフはできない!というゴルファーの感覚だったのですから。

ゴルファーはきっと、自分たちでゴルフを守ると思います。

みんなわかっているんです。

うまくいったりいかなかったりするのが、ゴルフの楽しいところだということを。

 

 

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在