32nd Masters Tournament

この季節になるとコースで着用することのないポロシャツに袖を通したり、あれこれ思い出してみたりする。1968年開催のマスターズは11アンダーで並んだ2人のプレーオフのはずが、あることで勝者が決まる。なんとも後味の悪いような文章がウェブ上にもあったりするが、当日の映像を見ると、その言葉の稚拙さを感じるだろう。

派手さばかり目立ついまどきのものには感じにくい〝ゴルフの精神の美しさ〟がモノクロ時代の映像には正しく映し出されていた。バミューダグリーンの転がりは想像するに8フィートにも届きそうにないけれど、なんら遜色のないゲームフィールドである。ボブ・ゴルビーがグリーンジャケットを羽織るまでの始終を見届けて欲しい。御年92歳になった彼は、64回目のマスターズを愉しみ、53回目のチャンピオンズディナーを口にする。

1968 Masters Tournament

つづく

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー