久しぶりに屋根叩く雨音を聞いている。ショートコースには、人もカラスも見当たらない。ここ数日、なんとなく自分自身の心持ちが静かだ。知床の遊覧船に乗っていた人たちのこと、戦争に巻き込まれた人たちのこと。突然奪われた「日常」のことを無意識に考えている。気持ちが落ちているというより、静か。フラットな感じだ。
「日常」とはたいくつで、平凡な日々から逃れたいと願ってしまいがちだけれど、変わらぬ日々がどれほど尊いものなのか。そのことを思わずにはいられない。
雨が作り出す静かなトーンと、心の周波数が合っている。見方を変えたら、そう感じることもこれまでにない新しさ。
新しさとは「気づく」ことだ。それが日常を変える。