失われ逝くもの

薄いスクープソールならではの課題も工夫もあったはず。できないことをできるようにするのが道具なのか人間なのか、用具依存度は増えてばかりいる。

 

個体差もあり吸水変質もある材質を見極め削り出し

職人による手作業で丁寧に作られた

工芸品ともいえるゴルフ用具だった時代から

材質調整のしやすい工業製品になり100年が経過した

 

大量に安価生産しやすいスチールシャフトの功績は大きいが

用具を乱雑に扱うようになったこと

乱暴に地面をほじくれるようになったこと

コースが痛む要因も沢山増えた

 

100年を振り返り

時代錯誤かもしれないけれど

いまなおヒッコリーを愉しむ人がいる

ちょっと愛おしくも思う

 

あるものに感謝する

ないものを工夫する

そういう時代を懐かしく思う

 

ネックとシャフトのシームレスな接続は工芸品としても完成度は高い。段差だらけのカチャカチャ用具にはない美しさがあった。

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー