マクロからみるミクロ

108mmの穴にゴルフボールを入れるゲームはフィールドから始まったが、人間の欲望は留まることを知らず、バーチャルファンタジーなゲームになりつつある。古代文化が消滅したように、人間はいつの時代も不自然なことを求めては破綻を繰り返す。フィールドゴルフゲームも風前の灯火かもしれない。

 

枯れた芝生で君らはゴルフをしてるのか

そう日本をあざ笑っていた米国は

枯れた芝生を受け入れた

英国は全域が冷涼地のままである

 

温暖化の止まらない日本はどうだ

溶けるほど暑い環境下

芝生もスタッフも努力はしているが

報われない環境は劣化の一途

 

芝のないサンドグリーンで遊ぶのか

プラスティックのフェイク芝で遊ぶのか

季節に応じて育つ芝生で遊ぶのか

選択の余地はそのくらいである

 

遊ぶ人のために理想を整えるのは容易いことでない

芝生も人間も生きているのが精一杯

もうそのくらいの限界値に近づいている

 

芝生の生え方と密度によってボールの接地面積は変化する。傾斜を感じ芝の生え方を観察し、ホールまでのトレースラインを想像する。それがゴルフの醍醐味のひとつであることは既に忘れ去られ始めている。

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー