ゴルフをするのに必要な道具は、もう一生分持っている。
でも、なぜかまだ買ってしまうのは昔の本間のクラブだったりする。
最初はチタンにクロームメッキされたメタルの仕上がりがすごく好きだったから。これをいつか今のクラブに施してほしいなと、研究材料&資料として綺麗な出物があれば買っていた。当時の超高級品も「とりあえず買っておくか」とポチッとできる素晴らしい時代だ。
次に、何気なく打ってみて、その打感がすごく好きだと思った。そして、使うためにいろいろなモデルを買って行った。とくに4番ウッドは、何本もある。そして、その4番ウッドは、意外にパーシモンもいいなと思ったりしてきた。打った時の感触とスピン多めに飛んでいく「飛び姿」が心地よい。どちらにしても90年代後半の過渡期にあった本間のパーシモンとメタル(チタンヘッド)にこの数年、魅了され古いモノの面白さを感じてきた。
そして、 今日。新たな面白味と出会った。それは90年代後半の本間BIG-LB が意図して軽量ヘッドだったこと。そしてリアルロフトが多めだったこと。ヘッド体積や形が結構、好みだったこと。それらが「こういうのがいいんじゃない?」とこの数年、仲間で突き詰めて行ったティショットギアの理想に、偶然近かったことである。
当時は46インチと長尺で使うからヘッドをしないとな、で190g以下のヘッドにしていた可能性も高いわけだが、それでも振りやすさを考慮して考えて行ったヘッド重量が、我々の結論とだいたい似通ったところに落ち着いて来るのは面白い。ロフトも打ってみた結果で、10.5°と書いてはおくが実は12°超になっているのも真っ当である。
考えてみれば、私は本間ゴルフのことはよく知らない。米国メーカーの開発拠点には何度も行っているが、本間の酒田工場には一回も行ったことがない。興味がなかったのではなく、縁がなかったのである。だから、BIG-LBがLOW BALANCEの略ということも「今朝」知った(笑)
本当に今更だが、当時の本間の独自性にすごく興味を持った。90年代は国内メーカーが独自理論を展開しながら群雄割拠、切磋琢磨していた頃である。米国ブランドは日本発の飛び技術を踏襲して行ったところも多分にある。当時は寛容性の米国、飛び(高初速&高弾道)の日本だったわけだから。
でも、忘れちゃならない日本らしさってもう一つあるんだよね。それが「打ちやすさ」、「振りやすさ」。実はそこにこだわってやってきたのが「ゼクシオ」だったわけ。今は米国ブランドに日本メーカーが追従する形でモノ作りが進んでいるように見えるけど、この20年で日本人が米国人のようなフィジカルになったわけでなし。今も変わらず平均的な日本人が「打ちやすい」、「振りやすい」と感じる独自の道具ってのはあるはずなのだ。
そこは自分たちで考えていかないとダメなところ。そこが今、やるべきことでもある。それはシャフトだけを軽くすればなんとかなる、というものではないだろう。「振りやすい」だけではなく、「打ちやすい(当てやすい)」も忘れてはならないわけだから。
長さやヘッドの重さが違えば、シャフトはもっと重たい方がいいと思うようにもなる。何かを変えれば全てが変わる。やることはいっぱい。みんなで同じものを作っていても始まらない。