パーシモンウッドの最晩年モデルといえばよいのか、かなり複雑な作りである。
ヘッド本体はU.S.Aパーシモン(柿の木)でソール全面にカッパー系のソールプレート。樹脂系フェースインサートの打球面にはチタンとおぼしき金属を楕円形にダブルインサート。さらにそれを止めるのは3本の真鍮ビス。
ヘッド形状もパーシモンの全盛時と比べたらシャローでネック部も短い。パーシモンに取って代わろうとしたメタルウッド、あるいはカーボンウッドにその座を譲るものかと苦心を重ねたのだろう。
「スーパー・パーシモン」。
あえて普通のパーシモンではないのだと言わなければならない時代背景が見える。
私は当時のことをあまり知らない。だからこそ、このクラブに新しさを感じる。ヘッドを構成するマルチマテリアル構造に未来を感じるし、中空ではないヘッドの打球感に新鮮味を覚える。妙に先端が細いシャフトも今にはないものだ。
古いクラブなのに、とてつもなく新しい感じがする。素材や構造、シャフトの規格に至るまで、何一つコイツの遺伝子が現代ゴルフクラブに引き継がれていないことにも、強烈な面白さを感じる。
コイツを打ったらどう感じるのだろうか。シャフトを1インチ切って、クロスラインラバーを挿れて今年最後のラウンドに持って行こうと思っている。