一期一会

ヘッドの先端に木目の芯があるのがいいヘッドのひとつの条件だ。密度が高すぎると重くて小ぶりなヘッドになる。ソールプレートの裏側をくりぬいたり鉛を詰めたりしてバランス合わせをした時代、自分好みのヘッドブロックに巡り合えるのも勝者になるひとつの条件だった。目立たないように補修加工されたヒール下側とトゥ上側の埋木がわかるだろうか。

ニスを削り落としていたら出てきたフェイスの色違い。打痕だと思っていたら、なんと埋木細工の跡だった。お気に入りのパーシモンヘッド、大切に大切に補修し続けたんだろうな、そう思えた瞬間に胸の奥があったかくなった。この頃の一期一会に感謝する。

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー